ポイント
①脳出血の原因を正しく把握する
②降圧と凝固障害の是正が重要
脳出血の2020のreviewを読んだので復習です。
絵や図がきれいにまとまっているので見やすかったです。
高血圧性血管障害
慢性的な高血圧によって脳深部の穿通枝動脈に変性・壊死が起き発症する
高血圧は脳出血全体の56%を占めるリスク
基底核、視床、脳幹(特に橋)、小脳に好発する
アミロイドアンギオパチー
高齢者の脳出血の主要な原因
βアミロイドが脳動脈に沈着して発症する
灰白質と白質の境界部で葉内出血を起こす
ただ高齢者の葉内出血の半分は別の原因だったとされるので場所だけでは
診断できない。
再発が年7.5%程度と多いので注意が必要
動静脈奇形
大出血を起こしやすいので速やかに診断して外科的治療を行うことが重要
海綿状血管腫
動静脈奇形と異なり大出血となることは少ない
難治性の頭痛、けいれん、繰り返す脳出血では外科的治療を考慮する
感染性心内膜炎
脳梗塞と脳出血を合併していて、IEのリスクがある場合は特に疑う
脳腫瘍
脳出血の6%程度を占める
転移性腫瘍と多形性膠芽腫が大半を占める
転移は灰白質と白質の境界部に起きやすいので、転移による出血は葉内出血になりやすい。
出血に対して脳浮腫が激しい場合も脳腫瘍を疑う
メラノーマ・腎細胞がん・甲状腺乳頭がん・胚細胞腫瘍・非小細胞肺癌に注意が必要。
〈治療〉
基本的に速やかな降圧・原因に対する治療
凝固障害があれば補正が必要
mass effectに対する高浸透圧療法(高張食塩水・マンニトール)
脳室内出血による水頭症は脳室ドレナージ術の適応となる
ポイント
①脳出血の原因を正しく把握する
②降圧と凝固障害の是正が重要
〈参考文献〉
Schrag M. Management of Intracerebral Hemorrhage: JACC Focus Seminar. J Am Coll Cardiol. 2020;75:1819-1831. PMID: 32299594.