内分泌

Cushing病に対するカベルゴリン

〈概念〉
Cushing病の下垂体腺腫にはD2受容体発現例が多くカベルゴリンの有効性が報告されている。
Cushing病の術後再発例や手術不能症例に使用が検討される。
2018年のメタアナリシスでは6つの文献、124症例においてカベルゴリンの有効性が検討された。


プライマリーアウトカムは24時間尿中遊離コルチゾール(24-h UFC)の正常化
74.2%の患者が下垂体手術後、19.4%に高プロラクチン血症の合併を認めた。
54.9%がmicroadenoma、23.1%がmacroadenoma、残りは正常画像。
カベルゴリン単独治療で24-h UFCが正常化したのは39.4%(95% CI 0.31-0.49; p=0.026)

年齢・性別・高プロラクチン血症・ベースのACTH値は関係なかった。
ベースの24-h UFC低値・下垂体手術後はresponderと関連あり。
responder群で長期フォローされていた症例の22.2%にエスケープ減少を認めた。

カベルゴリン治療は忍容性が高い。
軽微な副作用は37.3%に認めた。消化器症状が最も多かった。
 嘔気13.5%、便秘2.4%、腹部不快感2.4%、下痢0.8%。
 倦怠感11.1%、めまい3.2%、浮腫0.8%、鼻閉0.8%、人格変化0.8%、幻視0.8%。
重症な副作用は5.6%。
 5人の患者が副腎不全となり4人がヒドロコルチゾンでの加療を要し、1人がカベルゴリンを中止した。
 2人が重度の低血圧で内服を中止した。

実際の投与法として1回0.25~0.50mgの週2回投与から開始し、効果を確認しつつ1-4mg/週を投与することが多い。

〈参考文献〉
Palui R. Effect of cabergoline monotherapy in Cushing’s disease: an individual participant data meta-analysis. J Endocrinol Invest. 2018 Dec;41(12):1445-1455. PMID: 30097903.

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guni
総合内科医として勤務。最近は主に内分泌代謝疾患と感染症がメインです。日々勉強したことを投稿しています。皆様の参考になればと思います。役に立ったらシェアをお願いします。間違いがあればご指摘下さい。 臨床に応用する場合は自己責任でお願いします。なお個別の相談には応じておりません。