内分泌

副腎偶発腫のコルチゾール自律分泌能と死亡率の関係

副腎偶発腫のマネージメントに関しては以下を参照して下さい。

副腎偶発腫瘍のマネージメント Adrenal Incidentaloma ポイント 副腎偶発腫瘍では機能性と悪性腫瘍の可能性について評価が必要。サブクリニカル症候群(1mgデキサメタゾン抑制試験)と褐色細胞腫...

スウェーデンの2つの病院で2005-2015年に診断された副腎偶発腫を対象に行われたpopulation-based cohort study。
プライマリーアウトカムは全死亡率。
n=1048人、平均年齢64.9歳、女性が58.5%。高血圧52.9%、糖尿病18.7%、心血管疾患の既往20.6%
1mgデキサメタゾン抑制試験(1mgDST)を行いコルチゾールの値によって4群に分けた。
コルチゾール
 ① <50 nmol/L (<1.8 μg/dL)
 ② 50-82 nmol/L (1.8~3 μg/dL)
 ③ 83-137 nmol/L (3~5 μg/dL)
 ④ ≧138 nmol/L (≧5 μg/dL)
コルチゾール値が高い群ほど高血圧、心血管疾患の既往、脂質異常症の治療、CKDが多かった。

平均6.38年のフォローアップで170人(16.2%)が死亡。
コルチゾール 83-137 nmol/L(3~5 μg/dL)は<50 nmol/L(<1.8 μg/dL)と比べてHR2.30(95%CI, 1.52-3.49)
コルチゾール ≧138 nmol/L(≧5 μg/dL)は<50 nmol/L(<1.8 μg/dL)と比べてHR3.04(95%CI, 1.86-4.98)と死亡リスクが上昇していた。
コルチゾール>3μg/dLでは心血管イベントによる死亡が増加する。HR2.33(95%CI, 1.27-4.28)。
コルチゾール値と死亡のリスクは比例する。

〈参考文献〉
Kjellbom A. Association Between Mortality and Levels of Autonomous Cortisol Secretion by Adrenal Incidentalomas : A Cohort Study. Ann Intern Med. 2021 May 25. PMID: 34029490.

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guni
総合内科と内分泌代謝科で修行中。日々勉強したことを投稿しています。 皆様の参考になればと思います。役に立ったらシェアをお願いします。間違いがあればご指摘下さい。 臨床に応用する場合は自己責任でお願いします。