原発性アルドステロン症患者の37~55%に二次性副甲状腺機能亢進症を認める。
アルドステロン過剰に伴う尿中Ca排泄亢進が原因と考えられている。
原発性アルドステロン症における心血管イベント・骨折リスク上昇と関連があるかもしれない。
原発性アルドステロン症に副甲状腺機能亢進症を合併している症例を経験したので文献検索。
ドイツの原発性アルドステロン症(PA)のレジストリーの503例、iPTHを測定した141例を解析。
原発性副甲状腺機能亢進症の合併は1.2~2.1%。続発性副甲状腺機能亢進症の合併は54.6%。
多変量解析において血中アルドステロン濃度と25(OH)ビタミンDがiPTHと相関を示した。
手術やミネラルコルチコイド拮抗薬(MR)によってiPTHは有意に低下を示した。
金沢大学において2011年から2018年に副腎静脈サンプリングを実施した248例のうち、治療前にPTHを測定していた135例を解析。そのうち37%においてPTHは上昇していた。血中アルドステロン濃度とカプトプリル試験におけるアルドステロン濃度と相関していた。
機序
アルドステロン過剰によって体液中のNa貯留傾向となる。そのため近位尿細管においてNaとCa再吸収低下し、尿中Caの排泄が亢進する。血中Caが低下傾向となるため代償的にiPTHが上昇する。
PTH上昇が原発性アルドステロン症における心血管イベントや骨折リスクの上昇と関連があるかもしれないが、現時点では不明。
原発性アルドステロン症患者の37~55%に二次性副甲状腺機能亢進症を認める。
アルドステロン過剰に伴う尿中Ca排泄亢進が原因と考えられている。
原発性アルドステロン症における心血管イベント・骨折リスク上昇と関連があるかもしれない。
〈参考文献〉
Primary and Secondary Hyperparathyroidism in Patients with Primary Aldosteronism – Findings From the German Conn’s Registry. Exp Clin Endocrinol Diabetes. 2020;128:246-254. PMID: 31698477.
Primary Aldosteronism with Parathyroid Hormone Elevation: A Single-center Retrospective Study. Intern Med. 2021;60:993-998. PMID: 33790140.