副腎偶発腫瘍の15%が両側性。
転移性腫瘍、両側性大結節性副腎過形成(BMAH)、両側性皮質腺腫がcommon。
転移性病変、悪性リンパ腫、感染症、アミロイドーシス、副腎出血では副腎不全に注意。
副腎偶発腫は成人の約4.4%に認められる。*高齢・肥満・高血圧・糖尿病ではより高率に見つかる。
そのうち約15%が両側性である。
つまり両側性副腎偶発腫の有病率は一般人口の0.3-0.6%と推定される。
〈鑑別疾患〉
common
転移性腫瘍(metastasis)、両側性大結節性過形成(BMAH)、両側性皮質腺腫
uncommon
両側性褐色細胞腫、先天性副腎過形成(CAH)、クッシング病・異所性ACTH産生腫瘍による両側副腎過形成、悪性リンパ腫、骨髄脂肪腫、感染症(結核、ヒストプラズマ症、ブラストミセス症)、副腎出血、アミロイドーシス、グルココルチコイド抵抗症
両側性副腎偶発腫の鑑別のプロセスも片側性と同様。
①腫瘍はホルモン産生しているか
②腫瘍は悪性腫瘍か。
詳しくは過去のまとめを参照下さい。
両側性の場合は以下の2つも考慮する必要がある。
①副腎不全の除外(副腎の90%が破壊されると副腎不全を呈する)
②遅発型の先天性副腎皮質過形成の診断
転移性病変、悪性リンパ腫、感染症、アミロイドーシス、副腎出血では副腎不全に注意。
両側性病変の場合は片側性と比べてサブクリニカルクッシング症候群の合併が多い。
BMAHについては前回の記事を参照下さい。
副腎偶発腫瘍の15%が両側性。
転移性腫瘍、両側性大結節性副腎過形成(BMAH)、両側性皮質腺腫がcommon。
転移性病変、悪性リンパ腫、感染症、アミロイドーシス、副腎出血では副腎不全に注意。
〈参考文献〉
MANAGEMENT OF ENDOCRINE DISEASE: Differential diagnosis, investigation and therapy of bilateral adrenal incidentalomas. Eur J Endocrinol. 2018 ;179:R57-R67. PMID: 29748231.
Approach to patients with bilateral adrenal incidentalomas. Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes. 2020;27:125-131. PMID: 32209820.
Subclinical Cushing’s syndrome in patients with bilateral compared to unilateral adrenal incidentalomas: a systematic review and meta-analysis. Endocrine. 2016;51:225-35. PMID: 26498946.