循環器

高血圧の厳格コントロール vs 標準コントロール

Sprint studyの最終レポートが報告されました。
2015年10月までの介入期間後の2016年7月までの観察期間を含めた報告です。
結果は前回の報告とあまり変わりありませんでした。

P:9361人の心血管リスク*がある50歳以上(DM、脳卒中、認知症の既往は除外)
*心血管疾患の既往、CKD患者(eGFR20-59)、10年間の心血管リスク15%以上、75歳以上
I:収縮期血圧<120mmHg
C:収縮期血圧<140mmHg
O:複合アウトカム(心筋梗塞、他のACS、脳卒中、急性心不全、心血管死亡)

結果 
平均3.3年のフォローアップで厳格降圧群で有意にプライマリーアウトカムが減った。 
 1.77%/年 vs 2.40%/年 HR0.73(95%CI 0.63-0.86) 
全死亡は 1.06%/年 vs 1.41%/年 HR0.75(95%CI 0.61-0.92)
 厳格降圧群では有意に低血圧電解質異常AKI失神が多かった。

これまで通り、心血管リスクがある50歳以上の場合は収縮期血圧120mmHgを目指して降圧したほうがメリットが大きそうです。ただこのStudyでは糖尿病、脳卒中、認知症の既往、eGFR<20以下は除外されていることに注意が必要です。

〈参考文献〉
Final Report of a Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control. N Engl J Med 2021; 384:1921-1930

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guni
総合内科と内分泌代謝科で修行中。日々勉強したことを投稿しています。 皆様の参考になればと思います。役に立ったらシェアをお願いします。間違いがあればご指摘下さい。 臨床に応用する場合は自己責任でお願いします。