2021年4月から血漿アルドステロン濃度の測定法がRIA法→CLEIA法に変更。
CLEIA法ではRIA法と比べてPACは40~60pg/mL程度低値を示す。
新基準ではARR≧200かつPAC≧60pg/mLでスクリーニング陽性、ARR100-200かつPAC≧60pg/mLを暫定的にスクリーニング陽性とする。
原発性アルドステロン症診療ガイドライン2021が発刊され、簡略版が日本内分泌学会ホームページで公開されました。
改定ポイントとして2021年4月から血漿アルドステロン濃度(PAC)の測定法がRIA法からアイソトープを使用しないCLEIA法に変更になったことに伴う判定基準の変更です。
CLEIA法はアルドステロンにより特異的なモノクローナル抗体を用いており、RIA法よりもアルドステロン濃度を正確に測定できる。従来のRIA法よりもCLEIA法はPACは40-60pg/mL程度低値を示す。
よって従来のスクリーニングや負荷試験の判定結果基準が変更になりました。
従来はARR≧200かつPAC≧120pg/mLがスクリーニング陽性でしたが、新基準ではPACの絶対値が低くなり、ARR≧200 かつPAC≧60pg/mLで陽性となりました。ARR100~200かつPAC≧60pg/mLも暫定的に陽性と判定します。
カプトプリル負荷試験もARR≧200以上で陽性は変わりありませんが、ARR100~200も暫定的に陽性となります。
生理食塩水負荷試験もPAC≧60pg/mLで陽性は変わりありませんが、PAC12~60pg/mLも暫定的に陽性となります。
今回のガイドラインでは新たに副腎腫瘍を認めた場合に1mgデキサメタゾン抑制試験でコルチゾール同時産生・自立分泌の評価を行うことが推奨されました。コルチゾール自立分泌を合併する場合は副腎静脈サンプリングにおいてアルドステロンとコルチゾール比を用いる場合の局在判定に影響する可能性があります。
PACの検査法の変更から、スクリーニングの陽性基準が変わっているので注意が必要です。
今後CLEIA法のデータが集まり、至適カットオフ値が設定されるまで暫定陽性を含めた上記基準を用いることになります。
興味ある方は是非下記のホームページからダウンロードしてみて下さい。
2021年4月から血漿アルドステロン濃度の測定法がRIA法→CLEIA法に変更。
CLEIA法ではRIA法と比べてPACは40~60pg/mL程度低値を示す。
新基準ではARR≧200かつPAC≧60pg/mLでスクリーニング陽性、ARR100-200かつPAC≧60pg/mLを暫定的にスクリーニング陽性とする。
〈参考文献〉
原発性アルドステロン症診療ガイドライン2021(簡略版) 日本内分泌学会