無痛性甲状腺炎の診断ガイドライン
a) 臨床所見
1. 甲状腺痛を伴わない甲状腺中毒症
2. 甲状腺中毒症の自然改善(通常約3ヶ月以内)
b) 検査所見
1. 遊離T4高値 (さらに遊離T3高値)
2. TSH低値 (0.1μU/ml以下)
3. 抗TSH受容体抗体陰性
4. 放射性ヨウ素 (またはテクネシウム)甲状腺摂取率低値
無痛性甲状腺炎
a)およびb)の全てを有するもの
無痛性甲状腺炎の疑い
a)の全てとb)の1~3を有するもの
除外規定
甲状腺ホルモンの過剰摂取例を除く。
付記
1. 慢性甲状腺炎(橋本病)や寛解バセドウ病の経過中発症するものである。
2. 出産後数ヶ月でしばしば発症する。
3. 甲状腺中毒症状は軽度の場合が多い。
4. 回復期に甲状腺機能低下症になる例も多く、少数例は永続的低下になる。
5. 急性期の甲状腺中毒症が見逃され、その後一過性の甲状腺機能低下症で気付かれることがある。
6. 抗TSH受容体抗体陽性例が稀にある。