内分泌

褐色細胞腫とCT値

NEJM2021の副腎偶発腫瘍のreviewで褐色細胞腫とCT値の言及が気になったので元論文を簡単に読んでみた。

褐色細胞腫では頭痛、動悸、発汗、振戦、不安などが典型的症状だが、25%程度は無症状。
 また30%程度は副腎偶発腫瘍の精査において診断される。
 副腎偶発腫瘍の7%は褐色細胞腫と診断される。
 ガイドラインでは全例で褐色細胞腫の評価が推奨されているが、CT値<10HUでは褐色細胞腫は稀とされる。
 国際・多施設でretrospective studyが行われた。
 組織学的に褐色細胞腫の診断がついている368人の382の褐色細胞腫を評価した。

平均診断年齢は54歳±15歳。遺伝性が16%。平均最大腫瘍径は42.7±21.9mm平均の単純CT値は35±11HU

376例のCT値のうち、CT値が10HU以下の症例は2例のみ(0.5%)で、そのCT値も10HU
 その2例は出血の合併やコルチゾール産生腫瘍の合併など非典型例であった。

この文献では造影剤のwash outも解析されたが、褐色細胞腫の除外には有用とはいえない結果だった。

〈参考文献〉
Canu L. CT Characteristics of Pheochromocytoma: Relevance for the Evaluation of Adrenal Incidentaloma. J Clin Endocrinol Metab. 2019 Feb 1;104(2):312-318. PMID: 30383267.

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総合内科と内分泌代謝科で修行中。日々勉強したことを投稿しています。 皆様の参考になればと思います。役に立ったらシェアをお願いします。間違いがあればご指摘下さい。 臨床に応用する場合は自己責任でお願いします。