内分泌

SGLT-2阻害薬の副作用

10個のRCT、71553人(39053人が実薬、32500人がプラセボ)を対象にしたメタアナリシス。
 3つの研究は糖尿病以外も対象、4つの研究は心血管イベントの既往がある患者のみを対象、3つの研究は心不全患者のみを対象にしていた。各研究の平均フォローアップ期間は0.75-3.5年。

SGLT-2阻害薬は基本的に安全で、全ての有害事象、休薬が必要な有害事象、死亡に至った有害事象いずれにおいてもプラセボとほぼ同等だった。
性器感染症 RR3.56(95%CI 2.84-4.46)、DKA RR2.23(95%CI 1.36-3.63)、体液量減少 RR1.14(95%CI 1.06-1.23)、尿路感染症 RR1.06(95%CI 1.001-1.12)と有意に多かった。
一方、AKI RR0.84(95%CI 0.77-0.91)、高カリウム血症 RR0.84(95%CI 0.72-0.99)は有意に少なかった。
低血糖、切断術、骨折、膵炎、血栓症に関しては有意差を認めなかった。
*下痢に関しては2つのstudyのみでどちらもsotagliflozinを用いた研究。

心血管イベントの既往がある患者では切断術が有意に多かった。RR1.44(95%CI 1.01-2.04)。
DKAも有意差はなかったが同様に多い傾向だった。RR 6.43(1.71-24.15) vs 1.95(1.05-3.62)。

〈参考文献〉
Lin DS. Clinical Adverse Events Associated with Sodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitors: A Meta-Analysis Involving 10 Randomized Clinical Trials and 71553 Individuals. J Clin Endocrinol Metab. 2021;106:2133-2145. PMID: 33895840.

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guni
総合内科と内分泌代謝科で修行中。日々勉強したことを投稿しています。 皆様の参考になればと思います。役に立ったらシェアをお願いします。間違いがあればご指摘下さい。 臨床に応用する場合は自己責任でお願いします。