亜急性甲状腺炎(急性期)の診断ガイドライン
a) 臨床所見
有痛性甲状腺腫
b) 検査所見
1. CRPまたは赤沈高値
2. 遊離T4高値、TSH低値(0.1μU/ml以下)
3. 甲状腺超音波検査で疼痛部に一致した低エコー域
亜急性甲状腺炎
a)およびb)の全てを有するもの
亜急性甲状腺炎の疑い
a)とb)の1および2
除外規定
橋本病の急性増悪、嚢胞への出血、急性化膿性甲状腺炎、未分化癌
付記
1. 回復期に甲状腺機能低下症になる例も多く、少数例は永続的低下になる。
2. 上気道感染症状の前駆症状をしばしば伴い、高熱をみることも稀でない。
3. 甲状腺の疼痛はしばしば反対側にも移動する。
4. 抗甲状腺自己抗体は高感度法で測定すると未治療時から陽性になることもある。
5. 細胞診で多核巨細胞を認めるが、腫瘍細胞や橋本病に特異的な所見を認めない。
6. 急性期は放射性ヨウ素(またはテクネシウム)甲状腺摂取率の低下を認める。